生粋のハルキストの友人

本を読む人

私が村上春樹という人間について知ったのは、ノルウェイの森の映画が出た頃か、それとも1Q84という小説が出た頃かは忘れました。しかし、それだけ凄い影響力を持つ小説家が居るということについては、色々とセンセーショナルなインパクトを受けた覚えがあります。ただそういう素晴らしい小説家が居るのだなと思うだけで、特にその人の小説を手に取ってみようとか、それが原作の映画を見てみようだなんてことを思わなかったのも事実です。

そんな村上春樹にそれほど興味のない私に、ある時期から生粋のハルキストの友人ができてしまいました。ハルキストという言葉は、村上春樹の下の名前「春樹」から取って、彼の生き方などに多大な影響を受けて日常を過ごしている人のことを言い表した言葉だそうです。これはファンというよりは、人生観そのものまでに影響を受けているようなイメージですから、ある意味で信者と呼んだ方が意味的に近い気もします。

実際にそのハルキストの友人も、村上春樹氏のライフスタイルを真似る生活を送っており、常に村上氏が出ている本やテレビをチェックして欠かさず見る、そしてそこから得た氏の生き方をまた真似るということの繰り返し。
(参考:たまには瞑想も良いものです

こんな生き方をしているのでは自分本来の個性がなくなってしまうのではないかな?と思うこともしばしばありますが、ハルキストの友人から言えば、氏の真似のような生き方をすること自体が神聖な行為であり、それだけで十分な個性だと言い張っていました。確かにそれも一理ありますけどね。

そしてその友人は私にも村上春樹氏の小説を読むことを勧め、ハルキストとしての生活を送らないかと頻繁に誘ってきます。その誘いはありがたいものの、そもそも小説というもの自体に興味がないですし、他人の真似をして生きるのも嫌だと断っているのですが、友人はあまり聞く耳を持ちません。その点も、やはり生粋のハルキストだなと思わせる部分だと思いました。